感想 『青少年のための小説入門』
表紙絵
すみません、前回のブログで、ネタバレは嫌だといいましたが、感想が書きたいので、見てわかってしらけちゃうような核心にあたる内容は書きませんが、中身を少し教えつつ、自分の感想を、この本だけでなく、これから本を読み終えるたびにブログとして書いていきたいと思います。
さて、今回の小説『青少年のための小説入門』ですが、前回でも言った通り、この本は指南書ではなく、あくまでも小説です。しかし、小説に関するハウツーもちょろっと載せているように、私は感じました。
主人公の一真は、登という左側の男とある日突然作家を目指すことになり、その際に彼らが気づいた「おもしろい小説の特徴」や「つまらない小説の特徴」について書いてあったり、彼らが考えた小説のシナリオの微妙な点などを摘出した際に、どこがおかしいのだとかをこまごまと書いてあったりと、久保寺先生自身がお持ちになっている小説に対する見方というものを、その百分の一くらいを乗せてくださったって感じのものだと私は読んで思いました。
ですので、バリバリの指南書を読んで今すぐ上達したいという方にはどうかわかりませんが、物語を楽しみつつ、小説の書き方についてアドバイスがほしいという方には、恰好な「参考書」となること間違いなしだと思います。
小説の中では、二人が作家を目指していくわけなのですが、作家になる夢はほとんど小説の半分にも至らないところで成し遂げられます。この小説の肝は作家になることにあるのではなく、作家になった後の一真と登の波乱万丈にあるのだと私は読んで思いました。作家になった後の苦しさといった、私たち素人には到底想像のつかない厳しい世界の実態を時には生々しく描写してみたり、甘酸っぱい一真の恋を時には文章の合間に挟み込んだり、と内容も盛りだくさんとなっております。この本を読むのに、四日間かかりました(四百ページくらいあります)。
私と同じように、作家志望の同志にはぜひとも読んでほしい一冊です!
0コメント