感想 『告白』

表紙絵


 『告白』は最近になって話題が沸騰したように私の中では感じたのですが、調べてみると意外にも2008年には発行されていて、映画化されたのも2010年のことだったんですよね。少し意外でした。

 湊先生のベストセラー小説で、第4回大学読書人大賞で第3位を取った小説であるらしいです。ブルーな小説を書きたかったので、今まで拒絶気味だったこういう後味の悪い(読むと心がえぐられる)小説にも手を伸ばすようになりました。

 告白は、基本的に、誰から誰に向かって書いた書物形式で文章が綴られていきます。短編となっているため、物語の中ではこまごまとした背景描写だったりは一切なく、登場人物の心情を中心に語られているものだと感じました。私も、背景描写よりはどっちかと言うと、登場人物の心情について書くことが多いので、失礼ながら少し親近感がわきました。

 小説では、ある二人の生徒が主人公(?)である先生の子供を殺害したところから始まります。子供を殺害された母親はいくら犯人が生徒とはいえ、黙っていられるわけがありません。すぐに、彼女は警察や法に二人の裁きを委ねるのではなくて、なんともえげつない方法を用いて、復讐を開始させたのです。この小説を読んでから、牛乳を飲むのにも一苦労しちゃいました(笑)。→ 何を言っているのかわからない方は小説を読んでみてください。

 国語の先生は、この小説が極めて一方的で、復讐を誓う者の心情を正当化している小説だからあまり好まないといっていましたが、私はそうとは思いませんでしたね。人の個々の観点から書かれていたその小説は、客観的に見たら確かに歪んでいるところが多々ありますが、その登場人物自身になりきって主観的に捉えてみれば、どうしてもその理由が正当化されてしまうのは当たり前なことであって、それだからこそ、復讐に心を燃やせる。

 心がブルーになるから絶対に読みたくないって思っていましたが、読んでみたら案外奮い立たされた小説でした。興味あったら是非読んでみてはいかがでしょうか?


ユッケルトン! 作家のたまご部屋

ここでは作家志望の私(ユッケルトン!)がこれから日々読書をしながら文章力を上げつつ、作文を書き上げて新人賞に応募するまで(エンドレスで終わらない)の期間中に起こった出来事を掲載しています。  ・読み終えた小説の感想や簡単な紹介  ・日々のちょっとした愚痴  ・自分の気に入った作文表現  この三つを中心に更新していこうと思います!同志はぜひフォローお願いします!

1コメント

  • 1000 / 1000

  • 黒犬

    2019.10.10 13:43

    この小説、友達がみんな読んでました! 私も読んでみようかなと思います・・・