感想 『そこにいるのに』
すみません。ちょっと最近はテストが近いので、本を読むペースが格段と下がっています。なので、更新スピードも遅いかと。やっと一冊読み終えた・・・
表紙絵
ちょっと画質が悪いのは申し訳ありません。似鳥先生の小説を読むのは今回が初めてです。最初、「この作家先生は何を書いているのだ?」と疑問に思っていたのですが、調べてみたら「戦力外捜査官」っていう、結構有名なものが出てきました。デビューは推理ものらしく、今回の小説「そこにいるのに」もホラーサスペンスを交えた推理小説かと思ったのですが、見事なまでのホラー小説でした。 ザ・ホラー ですね。
この小説は、簡単に言ったら、テレビドラマ「世にも奇妙な物語」のような感じです。いくつもの短編が集結して、一冊の本になっている感じです。今まで小説に関して、ホラー系のジャンルは全く興味がなくって、今回も読むつもりはなかったので、がっつりのホラーであることを知った時は少し驚きました。それでいて、僕にホラー小説のいいところを実感させる機会を与えてくれました。
小説でホラー要素の表現なんて、できっこないと偏見していた僕なのですが、この小説を読んで改めて感じたのです。人間というのは、読んだ文章を頭の中で、自分が最恐と思えるような情景で思い描こうとするのを。だから、映画よりも、何倍もその読者個人に寄り添った「最恐」が、ホラー小説では体感できる。それがよくわかりました。
物語では、じりじり押し寄せてくる系、そして最初からスピーディーな感じのやつ、それに正体不明ななにかと立ち向かう感じのものまで、幅広いホラーが詰め込まれています。また、一見すべてがバッドエンドなのかと思いきや、ハッピーエンドのものもいくつかあって、パターン化された感じのものは全く見受けられません。一つ一つの話が本当に「こう来たか!」と言いたくなるような個性を持っていて、読んでいて体がひんやりすることもありました。(夜トイレが一人で行けなくなる方は控えた方がいいかもですね(笑))唯一共通しているところと言えば、もう本のタイトルが教えてくれたように、まさに「そこにいるのに」なんですよねw。まあ、それは読んでみればわかると思います。
また、思わせぶりなエンドも一つ?二つくらいあって(例えば蕎麦・・・)、何を意味しているのか、馬鹿な私にはすぐに想像できない部分もあったのですが、後々考えれば、なんとなくこういう感じなのかな、といった見解をつけられて、それがまた読後の楽しみなのだ、と気づきました。
とにかく、ホラー小説への第一歩を踏み出させてくれた作品だと思います。素晴らしく面白かったです。
似鳥先生は、「君のために青く光る」などと言った恋愛系(?)の話などだったり、結構幅広いジャンルいをお書きになられているようなので、機会があったら、またぜひいろいろと貪りたいです!みんなも読んでみてください!
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